師走の雰囲気がし始めたこの頃、いかがお過ごしでしょうか。蓼科は晴れていればポカポカですが、今日のように陽が射さないと、一日中ストーブのお世話になっています。貸家である我が家は無駄に広く、そして超オープンな間取りなので、このようにブログを書いているひとりぼっちの日でも家中全体を暖めることになってしまい、大変効率が悪いです。暖気が2階に抜ける抜ける。今年は灯油が高いですね(涙)自分たちの家を建てるときは、全体を暖めることができると同時に、必要のないときには部分的な暖房に切り替えができるように考えたいです。

 

今年の夏に初めて行ってとっても気に入った、松本の美ヶ原温泉にある金宇館(かなうかん)。寒い時期の温泉と、そしてもちろん季節のお料理を楽しみに、再び行って参りました!

冬の金宇館

信州LOVERの皆さま、BRUTUSの「長野県の大正解」はもう読まれましたでしょうか?この「正解シリーズ」は誇張ではなく本当に正解だった、という経験を「札幌の正解」で体験しておりますので、今回の長野県版も楽しみにしていました。

長野県、ということでとても広い範囲をカバーしているはずですが、このなかの「温泉宿の正解」という特集で、金宇館は見開きページで紹介されております!!これを見た人がたくさん金宇館を訪れて繁盛するのはとても嬉しいことですが、反面、メジャーになってあの静謐な雰囲気が無くなってしまったり予約がとりずらくなったら、と自分勝手な不安が無きにしも非ず。が、今回は大丈夫。「長野県の大正解」が発売される前に予約していましたので。でも実際に、直前に予約状況を見てみたところ、この先しばらく満室のようでした。

 

前回お世話になったのは7月で、今回は12月。一年のなかで太陽の高さが高いときと低いときにちょうど訪れたことになるわけですが、光の具合がまったく異なり、今回は館内の深くまで差し込む日の光が本当に美しかったです。

光と、光が生み出す影のコントラストに、目が奪われてしまいました。

一方でこのような静かな一角。

空間の奥深くまで差し込む光があるからこそ、そのそばにある影が引き立つということがよくわかりました。光だけの存在はなく、また影だけの存在もない。光のすぐ裏には影があり、逆もまた真なり。突き詰めると、光と影は同じものなのではないか。とか温泉につかりながら考える冬。

 

冬の夕ごはん

夏には夏の美味しさがありましたが、冬は冬でやはりいいですね。冬の夕ごはん、堪能させていただきました。至福~!!

菊芋の茶碗蒸し。温かい茶碗蒸しが空腹のおなかに優しい。

帆立と銀杏揚げ

白子ポン酢、かにの菊花和え、さつまいもレモン煮、柿の和えもの、里芋のゆず味噌、鰯の山椒煮

銀杏のすり流し。染みわたる‥

馬刺し

塩焼きと、ごぼうのソースだったかな?この器、美しかった~

鴨の治部煮。これ最高でした。

牛肉のしぐれ煮と大根。前回のステーキから一転、冬らしいお肉料理でした。

なんと今回の〆はお蕎麦でした!!ご主人が一生懸命打っているとのことです。

ほうじ茶のプリン

 

 

ブログを書きながら写真を見て、あー、また行きたいとなっております。

 

冬だけの楽しみ

金宇館に冬に行きますとね、お部屋がこんなかんじでした。

こたつ!

またシックなこたつですね。善光寺に行ったときの「兄部坊(このこんぼう)」という宿坊にもこたつがあり、感激しました(こちらに書いています)。さすが長野県はこたつ文化ですね。こたつに入って「ねこ」と呼ばれるちゃんちゃんこを羽織るのが、冬の定番らしいです。

夏に来たとき、窓が単板ガラスで冬は寒くないのかな、と不思議に思っていたのですが。今回冬の滞在でしたので感想としては、すっごく暖かいわけではないけど寒くもない、というかんじです。お部屋の暖房はエアコンとこたつで、備え付けの浴衣と羽織で過ごせるくらいの室温でした。これはいつも自宅で過ごす服装よりも、感覚的には3分の1ほど薄着ですが、それでも寒くないのですね。窓は単板ガラスで木枠。夜も障子を開けていましたが、冷気が降りてくるコールドドラフトは感じませんでした。外からの写真ですが、このように格子になっています。

一番不思議なのは、窓が結露していないこと。普通のガラスに見えて、なにか秘密があるのかな?それとも木枠のほうに?謎は深まる。

 

ところでお風呂についても、夏に来たときに疑問に感じたことがありました。脱衣所も洗い場も、天井近くに窓があって風通しがよいのです。窓といってもガラスがあるわけでもなく、冬は寒くないのかな~と。しかも洗い場にいたっては床が石なので、さらに寒そうだと。

結論としてはこれは完全に余計なお世話で、天井の窓はうまい具合に閉じられるようになっていました。そりゃそうですよね。上手く説明できないのですが、木製の目隠しルーバーみたいな仕組みかな、と思います。で、脱衣所の床は床暖房。さらに洗い場の石の床も床暖房でした!暖かくて気持ちいいし、濡れた床が乾くのも早そうだったのでいい案ですね。一般住宅のお風呂の床暖房なんてのも、あるのでしょうか。

 

滞在中、着々と冬支度が進んでいました。

ものを知らない自分の恥を忍んでお聞きしますが、この根本に巻いてあるのはなんて言うのでしょうか。こんなに美しく装飾する必要があるのかないのかわかりませんが、それでも美しくしてしまうのは、伝統なのか、それとも現代を生きる我々の美意識なのか。とても丁寧に、時間をかけて仕上げていました。世の中にはまだ知らない美しい仕事や技術がたくさんあるなあ。

 

次はどの季節に行こうかと企んでおります。

前回の夏の金宇館についてはこちらに書いていますのでよかったら。