信州に移住して3回目の冬、今年は雪が多いです。去年おととしは数えるくらいしか雪が降らず、さらに降ってもすぐ溶けてしまって田んぼは冬枯れの景色でした。が、今年の田んぼは白いです!!雪が降っては白く積もり、溶けて地面が見えるころにまた降ってまた真っ白に、という繰り返し。満月の夜などは雪明りで明るいです。東信と言われるこの辺りは信州のなかで雪が少ないと言われていますが、本来このくらいの雪は普通に降るのでしょうね。

それでも標高1000m以下の我が家のあたりでは、屋根の雪下ろしとか車が立ち往生とかはない程度の積雪です。主要道路の雪はほとんど溶けていて、普通に生活しています。晴れていれば洗濯物は外に干しますし、お布団も外に干します。雪が降ったらまだ嬉しい。そんな感じの日常です。

 

初スノーシュー

この度、日常とは桁違いの雪と戯れてきました。移住して3度目の冬にしてようやく、スノーシューデビューしました!!

ウィンタースポーツというとスキー、スノボなどありますね。信州に移住する人の中には、パウダースノーを求めてわざわざ雪深いところを選ぶ人もいると聞きます。私はウィンタースポーツはからっきしで、学生のころに流行りでスノボに行ったこともありますが、楽しさよりも寒さと体の疲れが勝り、単に苦行と化していました。なによりあのスピード感に気持ちが付いていかないのですよ。内臓あたりがざわざわします。

だけど雪は好きだし、雪景色も見たい。ということでスノーシューです。

 

行ってきたのは北八ヶ岳の雨池です。ピラタス蓼科スノーリゾートから北八ヶ岳ロープウェイで山頂駅まで一気に登った先は標高2,240m!

これはロープウェイの山頂駅出たすぐのところです。すでにわくわくする景色が広がっていますねえ。一気にテンション上がりました。ここはゲレンデのスタート地点になっていて、スキー、スノボを抱えた人たちと乗り合わせていました。私たちのようなスノーシュー組はちらほらといった感じ。このロープウェイ、土日は並ぶそうですので、可能なら平日推奨です。

 

山頂駅から歩くとすぐに樹林帯に。写真集で見るような景色が、本当に存在したんだ~という感じ。

シラビソという針葉樹に雪が積もり、そのあいだを縫うようにスノーシューで歩いていきます。なんとなく道ができているのは、見えないけれど本来の登山道なのだそう。2メートルは積もっているので、本来の地面より2メートル上空を歩いているということです。だからいま目線の高さにある枝は、本当は地面から3メートルくらいのところにある枝で、夏に同じ登山道を歩いてもこの目線で観察することはできません。これって本当にすごいことだと思いませんか?

 

本来の登山道に沿ったフットステップを逸れて、まだ誰も歩いていない新雪へ。もうね、楽しすぎて笑いが止まらない。

スノーシューって、水面のあめんぼのように雪の上に浮くのだと思っていたのですが、ある程度は沈むのですね。くるぶしくらいまでかな?それでもこの2メートル級の新雪の上を歩けるのですから、すごい道具です。夏のあいだはクマザサに覆われていたり石や岩がごろごろしている場所でも、雪がまろりとすべてを包み込むことで自由に歩き回れる。夏の登山のように規定の道を歩かなくてもいいというところがスノーシューの面白いところです。

 

しばらく歩くと縞枯山荘。ここはだだっ広いので風が強いです。

再び樹林帯に入る手前が、雨池峠。私たちが向かう雨池と、縞枯山、雨池山の分岐です。この分岐まで風が強くて、その風は常に西風なのだとか。そのため樹林帯の入り口には、西に成長したエビのしっぽが見られました。

雨池峠を境に茅野市から佐久エリアになります。八ヶ岳の反対側ってことですね。樹林帯をしばらく歩くと眺めのいいところがあり、先に見えるのは浅間山!その麓は軽井沢です。おお~~!ひと山超えると、文化圏が変わった感じがありますね。

ところでこの位置に立ってみると、木のてっぺんが目線の下にあることに気づきます‥!このあたりは積雪2メートルどころではないんじゃないか。この目線からだから浅間山が見えるけど、夏にこの場所に来てもこんなふうには見えないのかもしれない。おもしろーい!

道しるべの看板も、頭しか見えません!!

 

今回は初めてのスノーシューだったので、安全のためにガイドをお願いしました。ガイドさんはさすがですね。ちょっと林の中を歩いてみましょうと言って、本来の登山道を離れ、誰も歩いていない林の中へ連れて行ってくれました。

すでに道になっているルートとは違い、ふわっふわの雪を自分の足で切り拓いていきます。ちょうど雨池に向かって下っているので、スノーシューを履いているとはいえ足の運びを誤ると、ズズズズズ~と静かに沈み込んでいきます。下りの場合はつま先から着地すると沈みますね。踵から着地するのがコツのようです。ここで何度か足を取られて転びましたが、それもまた楽し。スノボのようにステンっというのではなく、すごく地味にズズズズズ~と足が沈んでいって静かにお尻で着地する感じです。

そしてこちらが目的地の雨池!

これ、夏は池なんですよ~!凍ったうえに雪が積もって、こんな景色になっています!ここもスノーシューで歩けます。振り返るとこんな感じ。

どこから池が始まっているのか、わかりませんね。林からひと続きになっています。

特筆すべきは、こんな絶景なのに、人がいない!!私たちここでランチしたりしてそれなりに滞在しましたけど、そのあいだ2組しか遭遇しませんでした。新雪踏み放題!!しかもこの日は最高のお天気で、空がすごい色でした。青空っていうのもなんか違くて、青が濃い感じ。そこに雪の白が合わさって、もうほんっとうに最高でした。スノーシュー最高。

今回のスノーシューが楽しすぎて、次はどこに行こうか考えています。3月の終わりくらいまでは楽しめるそうですよ。ああ~、冬よ終わらないで。