八ヶ岳の麓に移住して1年ちょっとが経つわけですけれど、もうここを離れられないと思うほど郷土愛が芽生えています。静けさ、八ヶ岳ブルー、季節のめぐりに日々心を動かされるのはもちろんですが、本日の話題はこちら、なにしろ生活圏内にいいお店がありすぎる!

今までご紹介してきた陶仙房指北庵12か月など、おいしいだけでなく世界観含めて好きなお店がこのあたりにはゴロゴロあります。まだ行っていないけど気になっているお店もたくさんあるし、ブログで書いていないけどバーバルノートとかカルパとか、気に入っているお店は他にもいくつかある。で、ですよ。このたびまたひとつ発見してしまったのですよ。しかもbrand new!先月オープンしたばかりのお店です。

 

米ぬか酵素八ヶ岳

米ぬか酵素を販売しているお店ではありません。米ぬか酵素が食べられるお店でもありません。こちらは米ぬか酵素に入るお店です!!つまり酵素風呂。あまり馴染みのないお風呂ですね。スーパー銭湯とかでたまにある、日替わり酵素風呂とは違いますよ。ティーバッグ状の入浴剤が入っているあのお風呂、麦茶の中で入浴しているみたいな気分になりますね。あれではありません。それじゃ一体どんなものか、入ってきたのでご紹介します。

 

場所はエコーラインの少し下、縄文の湯があるあたりです。このあたりは田んぼなので景色が開けていて、八ヶ岳がバーンと見えます。お店の正面はこの景色。日が沈む時間帯には八ヶ岳が赤く染まるのです。看板にある八ヶ岳のロゴ、夕日に照らされているのですね。

 

ドアを開けて入ると、目にも暖かい薪ストーブに迎えられます。我が家の灯油ストーブも暖かいと思っていましたけど、やっぱり薪ストーブの暖かさは違いますね。経験的に、エアコン<電気ストーブ<灯油ストーブ<薪ストーブって感じでしょうか。それに薪ストーブの素晴らしさは、その存在そのものです。火がゆらゆらと、あるいは熾火になって静かに、鋳物の中で暖かく燃えているのは、どんなにか安心なことでしょう。ああ、薪ストーブ欲しい‥。

 

受付とカウンセリングのあいだ、お白湯をいただきながらお塩をペロペロ。たくさん汗をかくので、あらかじめ水分と塩分を補給しておくのだそうです。このお塩、ちょっと硫黄っぽい香りで美味しかったです。減塩がさかんに言われていますけど、お塩は生命を維持するのに必要不可欠なんですよね。

次は脱衣室に移動して服をすべて脱ぎ、米ぬかが入っている浴槽に寝ころびます。この米ぬかがね、もうふわっふわなんです!そして暖かい。米ぬかにもぐり込む幸せ。全身しっかり米ぬかをかけてもらい、顔にはガーゼをかけて目の部分にも米ぬかを。これで15分、ゆっくりじんわり過ごします。

実は私、長風呂が苦手でして、温泉とか行ってもすぐ出てしまうもったいない人なんです。なんでかというと、血圧が低いのか高いのか、すぐに頭がくらくらしてしまうのです。無理すると湯舟からでたときに頭が真っ白になります。さすがに倒れたことはありませんけど、危ないなと思ったら、壁や手すりにつかまって数秒やり過ごしたりしています。そんな調子なので、サウナは当然ムリ、一時期流行った岩盤浴などもだめでしたね。なにを血迷ったか、岩盤浴の上でヨガとかいうのに行ったときは、早々に脱落してしまいました。

そんなわけでこの酵素浴、15分入っているわけですので、体質的に実はちょっとした不安があったのですが。結論から言うとまったく問題なし。なんならもっと長く、ふわふわお風呂の中に埋もれていたかったくらい。時間ですよ、と声をかけていただいたときまだ夢見心地で、まだ春じゃないのに起こされた冬眠中の動物みたいな気分でした。普段あまり汗がかけない体質ですが、久しぶりに鼻の下にじんわり汗を感じました。続けていくうちにもっと汗がかけるようになり、代謝がよくなっていくのだろうと期待しています。

寒い冬の八ヶ岳の麓で、ポカポカしながら家路につく幸せ。長い時間お風呂に入っていられない私は、温泉の帰り道でも体の芯から温まっている感覚がありません。だからこんな風に温かいまま帰れることが本当にうれしい。帰り道では、満月に近づく月が見えましたよ。