-この記事は「時には木陰に寝ころんで」より、引っ越ししてきました-

 

ピクニックに行くとき、いつもならサンドイッチやおやつなどを用意して行くのだけど、旅先ではどこかで調達することになる。

札幌でピクニックをするときは、ハサミヤと決めている。

 

札幌でピクニック

11月の札幌

北海道に遊びに行くとき、多くの人にとってまず思いつく季節は夏だと思う。涼しくて爽やかな北海道で過ごす夏は、さぞかし快適なのだろう。広大な大地が広がり自然がすぐそこにある北海道だから、ラベンダーが一面に咲く初夏や、豪華な紅葉が楽しめる秋もよさそうだ。そして忘れてはいけないのが、冬。サラサラのパウダースノーは、最近では海外のスキーヤーやスノーボーダーにとっても憧れらしいのだ。ウィンタースポーツをしない人にとっても、札幌大通公園の雪まつりは有名。

どの季節に行っても楽しめる北海道だけど、はっきり言って11月は見どころが少ないかも。たしかニューイングランド地方だと思うのだけど、アメリカの言い回しで「ないないづくしのノーベンバー(NO-vember)」というものがあるそうだ。11月は植物も枯れ、収穫物もなく、曇りがちで太陽もないことから、「ない」を意味するNoと、11月を意味するNovemberがかかっている。東京の11月はやっと涼しくなって空気がきれいになり、ちらほらと紅葉が始まる気持ちのいい季節なので、まったく当てはまらない言い回し。だけど寒くてどんよりと曇った札幌の空を見て、つい思い出した。

そんな11月の札幌に来たのは、ただひたすらおいしいものを食べてゆっくりするため。混雑の苦手な私たちは、紅葉が終わって雪はまだ、大通公園ではオータムフェストが終わってイルミネーションはこれからという、ちょうど狭間を狙って行ったのだ。観光という点では、まさに「ないないづくし」の時期に当たるけど、おかげで久しぶりにゆっくりとした時間を過ごすことができた。

 

 

ハサミヤ

私たちはマイルを使って毎年北海道へ遊びに行っているのだけど、札幌に行くと必ず行くお店が2軒ある。

ひとつは寿司 懐石処 光(ひかり)。まるで祖父のように温かくもてなしてくれる大将が握ってくれるお店で、気取ったところがまったくなく、私たちのような若輩者でも気持ちよく食事をさせてもらえる。

もうひとつが、サンドイッチのハサミヤ。テイクアウトしてハイキングのランチに持っていったり、朝のお散歩がてら公園で食べたりもする。リピートするようになったのは、サンドイッチのおいしさもさることながら、そのセンスの良さ。たとえば今回は11月限定のアップルポークのサンドイッチなんてのがあった。ね、おいしそうでしょ。

 

 

温かいサンドイッチは注文してから作ってくれるので、出来上がるまでのんびりと待つ。私たちはいつもテイクアウトなのだけど、イートインもできるようだ。ハサミヤのサンドイッチを持って、都会のオアシス中島公園でピクニック。ハサミヤから中島公園まで、歩いていける距離なのもいいところ。

今回買ったサンドイッチは、11月限定のアップルポークと定番のグリルドマッシュルームチーズ、それとホットのコーヒーと紅茶。バナナブレッドはいつも惹かれるのだけど、夫からの評判がいいりんごのマフィンをおやつに持ってきていたので今回もおあずけ。

 

 

ピクニックコンサート

11月の中島公園のピクニックはとても寒くて、実のところあまりゆっくりできなかった。せっかくのピクニックをのんびり、ごろごろと楽しみたいなら、やはり夏がいいのだろう。札幌は大都市なのに、ちかくに大きな公園や森、山がたくさんあり、ピクニック好きにとっては羨ましいかぎり。

そんな札幌でぜひ行ってみたいピクニック、それはPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)!PMFとは、毎年夏に札幌で開かれるクラシックの祭典のこと。PMFのイベントのひとつに、ピクニックコンサートというのがあるのだ!札幌芸術の森にある野外ステージで、クラシックの演奏を聞きながら芝生に寝ころんでのんびり。これ以上の贅沢なピクニックは、ちょっと思いつかない。しかも演奏するのは、世界各地から選抜された音楽家の卵たち。基本的には個人で静かにするピクニックが好きだけど、PMFには一度参加してみたい。