由緒ある別荘地として知られる軽井沢だけど、長野県には他にどのような別荘地があるのだろう。いくつかの別荘地と比較することで、軽井沢をちょっと俯瞰で見てみます。

 

軽井沢と長野県の別荘地

軽井沢の別荘地

軽井沢は長野の東端

軽井沢は長野県の東の端っこ、群馬県との県境にある。

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軽井沢に行くときに下りる碓氷軽井沢ICは、実は群馬県にあるのです。さらに軽井沢を北上すると、北軽井沢と呼ばれる群馬県長野原町と嬬恋村。四角い軽井沢は3方を群馬県に囲まれ、残る1辺で長野県に接しているのです。このような地理的な条件からか、軽井沢は群馬県にあると思っている人も多いとか。

 

東京24区

都会からの別荘利用が多く、レストランやショップなどが洗練されていることから、軽井沢は「東京24区」と例えられることがあります。アウトレットへ行けばおしゃれな小物や洋服が揃うし、東京で活躍していたシェフが開いているレストランもたくさんあります。軽井沢では豊かな自然を満喫しながら、都会的で洗練された暮らしができるのです。

昔ながらの里山では地域の結びつきが強く、都会育ちの人びとにとっては戸惑うことも多いと言われています。そのため都会的な感覚を持った軽井沢は、移住者にとって馴染みやすいと言えるのかも。ただし気を付けなくてはいけないのは、東京24区軽井沢には都会のセレブリティが集まっているということ。うっかりするとご近所さんの生活レベルの高さに驚かされることになるかもしれない。

軽井沢独自の建築規制についてはこちらの記事

 

長野県の他の別荘地

長野県には軽井沢のほかにもたくさんの別荘地があります。そのなかのいくつかを紹介しながら、軽井沢と比較してみます。

 

八ヶ岳西麓エリア

高原リゾートとして名高い八ヶ岳エリアは、豊かな自然と澄んだ空気が特徴。南麓は山梨県にあたり、西麓は富士見町、原村、茅野市のあたり。

 

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洗練されしっとり落ち着いた印象の軽井沢に比べ、八ヶ岳エリアは自然がよりパワフルな印象。八ヶ岳によって関東からの雲が遮られるらしく、晴天率が高くカラッとしているそうです。霧の軽井沢とは対照的。「静」の軽井沢に対して、「動」の八ヶ岳。標高は1,000m前後で軽井沢と同じくらい。

避暑やリゾート地として人気の八ヶ岳だけど、ショップやレストランに関しては軽井沢に軍配が上がると思う。山梨県にあたる南麓まで行けばアウトレットもあるけど、軽井沢には到底勝てない。

このエリアの楽しみ方は、身近な自然と戯れること。といってもアウトドアスポーツだけとは限りません。例えば夏に開かれる「星空の映画祭」や「星と歩くナイトウォーク」は、標高が高く空気が澄んでいる八ヶ岳ならでは。高原朝市やクラフト市など自然の恵みを楽しむイベントも開かれています。

東京からのアクセスは中央道で永福から諏訪南ICまで約2時間なので、関越道練馬ICから約1時間半の軽井沢と比べるとやや時間がかかる印象。ただ都内でインターに乗るまでの時間を計算に入れると、住んでいる地域によってトータルの時間は変わってくるかもしれない。環八の渋滞などを考慮すると、我が家の場合はどちらもトータルで2時間半ほどになる。諏訪南ICを下りてからの道は比較的ゆるやかで、碓氷軽井沢IC周辺のような山道ではない。

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蓼科エリア

標高1,500m前後、軽井沢よりさらに高いところにある高原リゾート蓼科。主に蓼科高原や白樺湖のある茅野市、女神湖のある立科町の周辺です。

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標高が高いだけあって避暑には最適。いや、もしかしたら夜などはひょっとすると寒いくらいかもしれない。白樺の木立に囲まれたロッジなどは、まるでヨーロッパの山岳リゾートのような雰囲気。軽井沢の歴史ある教会や由緒正しい別荘地も素敵だけど、蓼科では山々に囲まれた大自然の偉大さを素直に実感できる。標高が高いぶん太陽が出れば陽射しは強く、冬は冬で一面真っ白の雪景色。都会ではありえないほどの静かな夜に、満点の星空を眺めるのは貴重な体験。

東京からのアクセスは中央道で永福から諏訪南ICまで約2時間。インターを下りてから蓼科方面へは約40分。景色が楽しめるビーナスラインを通るので、ちょっと時間がかかるものの楽しい時間が過ごせるかもしれない。ただし冬季通行止めになる区間もあるから注意が必要。

 

八ヶ岳東麓

清里から北に上がると、高原野菜や牧場で有名な八ヶ岳の東側に広がる野辺山高原があります。軽井沢のひっそりした様子とも八ヶ岳西麓の明るい森の様子ともまた違い、とにかく視界が開けていて広々とした景色でした。自分の立っている足元から高原野菜の緑の畑が一面広がり、奥の八ヶ岳を境につぎは青い空が広がります。

このエリアで有名なのは、八ヶ岳高原ロッジがある別荘地。敷地内にはいくつもの散策路が整備され、音楽堂ではコンサートやイベントが開かれていたりもします。ゴーストタウンのようになってしまう別荘地もあるなかで、きちんと管理、運営されているという印象。

東京からのアクセスは、中央道永福から長坂ICまで約1時間40分。インターを下りてから八ヶ岳高原ロッジまでは、下道で清里を経由しつつ40分弱。途中にあるシュッポッポ牛乳のソフトクリームが有名。

 

top image : Portland General Electric