営業自粛していたお店が、続々とオープンしていますね!長野県ではゴールデンウィーク明けくらいから、短縮営業や完全予約制など感染症に配慮したかたちで、順次営業を再開するところが増えています。だいぶ前に教えてもらったのになかなか行けなかったお蕎麦屋さんも営業再開したようなので、ドライブがてら行ってみました。

 

朝日そば ふじもり

気が付けばいつもお蕎麦屋さんを紹介している気がします、このブログ。私としてはそれほどお蕎麦が好きというわけではなく、どちらかというとルーツが四国にあることもあり、うどんや素麺を好んで食べています。讃岐うどんがおいしいのは周知のことですが、香川県小豆島で作られている「島の光」というお素麺もとてもおいしいのでこれからの夏におすすめ。アマゾンで買えます。小豆島はオリーブも有名で、普通のお素麺はごま油でつくるところを、オリーブオイルで作ったオリーブ素麺なるものもあり、一度食べてみたいと思っています。

そうは言ってもせっかく信州に住んでいるのですから、こちらに移住してからはよくお蕎麦を食べています。実際お蕎麦屋さんはたくさんあり、スーパーでもおいしい生そばが買えるので、家でもよく茹でています。お蕎麦の好みというのは人によっていろいろで、こちらの人は贔屓のお蕎麦屋さんがそれぞれあるようです。そんななかでおすすめを聞くと行ってみずにはいられません。朝日そばふじもりは、このブログでたびたび登場する「間違いない情報をくれる人」から教えてもらったので間違いありません。

 

撮った写真を見ていてしみじみ思いますが、この時期の信州は本当に美しいです。長い冬を越え、季節の境目で農作物がまだ収穫できない端境期を越え、やっとレタスやアスパラ、蕗などが収穫できるようになりました。松本のような都会ではなく、町から離れた静かなところにおいしいお蕎麦屋さんがあるということで、この時期に行けたのはむしろ良かったのかもしれません。

 

 

この日は途中から小雨がパラつき、ちょっと肌寒いくらいの気候でした。私は冷たくキリッと引き締まったお蕎麦が好きなのですが、寒さに負けてにしん蕎麦に。寒いので、なんてもちろん口にしたわけではないのに、にしん蕎麦を注文した途端、店員さんが「もしかして寒いですか?」と言って窓を閉めてくださいました。にしん蕎麦を注文しただけですよ。すごい洞察です。夫は玄そばと丸ぬきの二種盛りと天ぷら。玄そばというのは殻付きの蕎麦の実を挽いた十割蕎麦だそうで、蕎麦版の玄米みたいなものでしょうか。

にしん蕎麦はまずお出汁がおいしかったです。そこに三つ葉とゆずの香りが広がり、お風呂に入ったときみたいに思わず、あぁ~やれやれという感じ。にしんは半身がまるごと乗っていて食べ応えがありました。付きだしの煮物とデザートの蕎麦寒天が付いて1,500円。駐車場の車を見ると、県外からの観光客が多いように感じました。予約不可ということでこれからの季節、週末は混雑すると思われます。ゆっくりした時間を楽しみたい方は、平日がいいかも。

 

「間違いない情報をくれる人」が教えてくれるお店はどこもおいしいのはもちろん、風通しよく清潔な雰囲気のお店ばかりです。建物や間取りのような物理的なものだけでなく、たとえば掃除が行き届いているとか、働いている人が気持ちいいとか。ふじもりも、入り口に入った瞬間にご主人のあいさつが聞こえ、そのあとよく気の付く店員さん(たぶん奥さま)が出迎えてくれました。どちらも機嫌のよい声で、それがこちらにも伝染します。広々と気持ちのいい縁側を通ってお手洗いに行くと、今朝摘んだばかりと思われるお花が飾られていました。ちょっとしたこと、一瞬のことですが、お店の姿勢が垣間見え、そしてこのお店に来てよかった、と思うのです。