軽井沢にはどうしてこんなにおいしいものがたくさんあるのだろう。お土産を買うつもりが、気が付くと自分用にも買ってしまう、お気に入りのお土産がいくつもあります。家に帰ってからも軽井沢の余韻を楽しめるよう、いつも少し多めに買うことにしています。

 

軽井沢デリカテッセン

明治時代から、外国人避暑客で賑わっていた軽井沢。彼らのお腹を満たすため、早くから西洋風の食べ物が浸透していました。その中のひとつが、ハムやソーセージ。夏でも涼しい軽井沢の気候と相性がよかったらしく、彼らが伝えた保存食はいまでも軽井沢の名物です。

そんな軽井沢にあっておいしいと評判なのが、軽井沢デリカテッセン。清潔感のある店内はすっきりとおしゃれで、ショーケースに美しく並べられたハムやソーセージたちもどことなく端正な顔をしているように見えます。

別荘族や地元の人たちはたっぷりと買っていくけど、旅行者におすすめなのは、5種類のハムのお試しセット。家に帰ってからも、ビールで一杯やりながら軽井沢気分が楽しめます。

 

軽井沢デリカテッセン

ジャム小林

軽井沢といえば、ジャムをお土産にするのは定番。問題はどこのお店のジャムにするか、です。こういうときに私が選ぶ基準としているのは、できるだけシンプルで飾り気がなく、それでいて洗練されているということ。この条件に一番合う軽井沢のジャム屋さんは、ジャム小林だと私は思います。

50年ほど前に宣教師から譲り受け、大切に育てたルバーブから作られるジャム。

数軒の農家でしか栽培していないレーヌクロードのジャム。

わずかな時期しか味わえない紅玉りんごのエキスを、丁寧に集めたジュレ。

ジャム小林のジャムはシンプルだけど、その物語はとても個性的だと感じます。

 

 

 

ジャム小林

 

和泉屋 傳兵衛(いずみや でんべえ)

クルミがころころ入った、ころころくるみ。クルミとりんご、はちみつの優しい甘さと、シナモンのスパイス。お土産用はカゴに入っていて、まるで森でクルミ拾いをしてきたみたいです。軽井沢に行くと、いつもみんなのお土産をここで買います。ほろりとした食感と洗練された大人の味は、素朴だけど上品。質素で信心深い宣教師から始まった避暑地軽井沢の歩みを、まさにあらわしているようなお菓子だと感じます。

 

和泉屋 傳兵衛

 

ちもと総本店

冬の間に作った天然の氷を氷室で保存し、夏に利用する。山の軽井沢だからこその手間です。その天然氷をかき氷にして食べられるのが、ちもと総本店。夏ともなれば、かき氷を求めてお客さんが殺到します。

そんなちもと総本店のお土産はもちろんかき氷ではなくて、ちもと餅。黒糖の素朴な甘さに、クルミの食感がアクセント。ひとつひとつ竹の皮に包まれた、上品なお菓子です。特筆すべきはその食感。ふにふにと柔らかいちもと餅をやさしく口に運ぶのは、なにか壊れやすく大切なものを手のひらに乗せるような感覚に似ています。

 

ちもと総本店

 

万平ホテル

言わずと知れた軽井沢のクラシックホテル、万平。このホテルを有名にしているのは、歴史と格式はもちろんだけど、ジョン・レノンの存在も大きい。毎年家族で軽井沢に来たときに、定宿にしていたと言われています。ジョンの指導でメニューになったロイヤルミルクティを、今もそのままのレシピで出すのはホテルの中にあるカフェテラス。お土産にしたいのは、このカフェテラスのアップルパイです。

 

 

ロイヤルミルクティと同様、ジョンもお気に入りだったアップルパイは、りんごの風味とシナモンの自然な甘さ。お家に帰ってからも軽井沢の余韻に浸れるよう、自分へのお土産に、万平ホテルのアップルパイ。食べるときには、サクサク感を蘇らせるために食べる前にオーブンで温めます。

 

万平ホテル