感染症の流行やその後の自粛期間などが影響して、地方移住が再び注目されているようですね。以前の大きな移住ウェーブは3.11のときにあったと聞きます。ここ八ヶ岳でもその時と同じくらいかそれ以上、土地が動いているようですよ~。

 

3.11のときは原発の緊急的な危機があったことから、土地を購入して家を建てるというステップを踏む時間も惜しく、中古別荘がよく売れたそうです。すぐに引っ越す必要があったのですね。一方でコロナ禍のいまは、期せずしてこれまでの生活や人生を見直すきっかけが与えられ、そしてそれについて熟慮する時間もあり、その結果都会での暮らしを清算して移住を決断する、というステップがあるように感じます。

コロナとは関係なく昨年移住した私たち家族は、現在のところ貸家に住みつつ土地を探しています。探しているなかで、別荘地に定住するか、それとも集落で暮らすか、という2択で迷いが生じているところ。本日はこのあたりについての話です。個人的な思考整理ですので、最後にどちらかの結論が出たり答えを提示するものではありませんので悪しからず。

 

移住する前は、中古別荘を購入するという選択肢もありました。以前こちらこちらに詳しく書いたのですが、いやー、このころからずいぶん迷っていますね。今となっては土地にしても中古住宅にしても、購入前に賃貸で移住してきたのは、私たちにとっては正解だったと思います。なぜなら購入前によーくよく当該物件を検分し、その他に目移りするようなよりよい選択肢が無く、これが唯一無二の求めていた物件!とならない限り、きっと購入に踏み切れないほど慎重ですから‥。そんな私たちがするりと移住できたのは賃貸というワンクッションのおかげだし、さらには物事にはなんでもステップがあり、その時々に選び取る選択肢が積み重なって人生の大きな流れを形作っていくと考えると、私たちにとって住宅購入は移住とは別の、これから提示される次のステップと考えることができます。

もうひとつ言うと、今まで生きてきた中で大きな決断や選択は、意外とするりとしている気がします。移住にしても、まずは賃貸でと決まった途端、あれよあれよと動き出した。それに伴う車の購入も、以前から散々いろいろ見て悩んでいたのに、いざそのときが来たらあっさり決まった。だから私は、「正しい選択は迷わない」と考えています。なにかを始めるときやなにか大きなものを購入するとき、もし迷ったら「間違っている」か「まだその時じゃない」と判断します。だから移住前に物件購入で迷っていたときの私たちは、まだ購入するには時期尚早だったのだと理解しています。

 

無事移住したいま、やっと住宅購入のフェーズが見えてきました。それにしてもまだ迷っていることがあります。ようやく本題、タイトルにある「別荘地か集落か」という問題についてです~。

移住してからのこの半年ちょっと、ほぼほぼ別荘地での定住スタイルに的を絞って土地探しをしてきました。なぜかというと、大きな理由は2つあります。ひとつは隣近所との精神的な距離感。私たち夫婦はどちらも人見知りで、特に私は人付き合いが得意ではないので、田舎特有のご近所付き合いができるか不安だから。ふたつめは隣近所との物理的な距離感。もちろん田舎ですから、東京の集合住宅みたいに上下階の生活音やお隣の会話が聞こえてしまうということはありません。こちらで聞こえるのは、主に畑を耕す機械音。おまけに野焼きの煙が洗濯物を燻してくれちゃいます。うぅ‥。

隣近所との精神的および物理的距離を懸念して、集落よりも別荘地に定住するスタイルが自分たちには合っているのではないかと考えているわけです。ところが集落にある貸家に半年ちょっと住んでみて、考えが変わったところもあります。精神的距離に関しては、田舎の近所付き合いといえども恐れるほどではない、というのがいまのところの実感です。移住前にいろいろ聞いていた濃厚なご近所付き合いというのは強要されることはありませんでした。まあ消防団とかなにかしらの役割がまわってくるとまた違うのかもしれませんけど。また農家や自営業の人も多いのか、割と不規則で謎が多いと自認している我が家のライフスタイルでもそれほど珍しい目で見られることはないように思います。ただ、道で出会った全然知らない人に、最近引っ越してきた人がいると聞いたけどあなたたちのことね、みたいな感じで話しかけられたときはびっくりしましたけど。物理的距離に関しては、やっぱり別荘地の静けさは捨てがたい。

 

そんなわけでちょっとした心境の変化もありつつ、集落もありかな、と思って探してみました。すると意外とよさそうな土地がある!多少畑仕事の気配が気になっても、代わりに田園の開けた眺望が得られることもわかりました。別荘地は木々に囲まれていることがよくあり、その雰囲気も捨てがたいのですが。

現在のところ、別荘地に1つ、集落に1つ、気になる土地があります。さてどうしよう。迷うときは動くときではない、とさっき書いたばかりだけど、どっちも捨て難く迷うときはどうしたらいいのだろう。