信州に移住したらこんなおうちに住みたい。と、八ヶ岳デイズを読みながらいつも妄想しています。賃貸ではなく自分の家が欲しいのだけど、中古物件を買うのと、土地を買って家を建てるのと、どちらがいいだろうか。

 

中古住宅か新築か

中古住宅の値段

ここ1年ほど、気になっている中古住宅があります。実はすでに内覧もさせてもらっていて、仕事の都合や金額が折り合えば購入しようと思っていました。その物件は八ヶ岳西麓の別荘地にあり、標高は約1,400m。住むならこんなところ、と私たち夫婦が気に入って物件を探していたエリアの範囲内です。敷地は300坪以上、床面積約30坪の建物が建っています。築年数は30年ちょっとで、金額は1,000万円くらい。

この条件で、この物件は安いのだろうか、高いのだろうか。友人に話したところ、高いと言われました。築30年を過ぎている建物の価値なんて実質ゼロだし、辺鄙な別荘地の土地にいくらの価値があるのか怪しいものだ、というのです。

たしかに友人の言うことにも一理ある。しかし例えば同じ別荘地で土地を買うとなると、だいたい500万~800万円くらいはします。そこに建てる30坪の家が2,000万円だとして、ざっとした計算だけど、新築だと少なくともトータルで2,500万円はかかる計算に。それに比べると中古住宅は初期費用が安く、手直しが必要なら住みながらDIYでリフォームするのもおもしろそう。そういうわけで、中古住宅は新築に比べて安いと思ったのです。

 

リフォームが必要な中古住宅

築30年の家のリフォーム。いったいどんな工事が必要になるのだろうか。見に行った物件は、現オーナーさんがきちんと手を入れて住んでいたようで、築年数相応の傷みや古さはあるものの、まだまだ住めるしっかりとした家でした。そうは言っても営業担当の方の話だと、屋根のメンテナンスと水回りの交換が必要です、とのこと。それに加えて、私たちの好みからすると、全室カーペット敷きをフローリングにしたい。薪ストーブを入れたい。冬に備えて、断熱を強化したい。など、理想の家に近づけるべく、大小さまざまな工事が必要。

 

土地で決めるか、建物で決めるか

中古物件の購入を決断するにあたって、3つのパターンがあると思います。

土地が気に入った場合、建物が気に入った場合、土地も建物も気に入った場合。

 

土地も建物も気に入れば、それはもう購入すればいい。問題は、土地か建物どちらかは気に入っているけれど、どちらかは妥協している場合。私たちの場合でいえば、建物は気に入っています。土地は希望エリア内ではあるけれど、ここでなければ、という強い思い入れはない。なぜこの土地を?と聞かれたら、この建物がここに建っていたから‥というほかないのです。

すでに30年を経過しているような中古物件の場合はとくに、将来立て直しになる可能性があります。そうなったときに、もっと条件のいい土地を探すのではなく、やっぱりこの場所に建て替えようと思えるような土地だといいのだけれど。

 

土地だけなら選び放題

もっと条件のいい土地ってなんだろう。建物のことは一旦置いておいて、希望エリアで土地を探してみることにしました。すると驚いたことに、出てくる出てくる。敷地面積も価格も、土地の個性もさまざま。私たちの中古物件(まだ買ってないけど)に執着していたときには見えていなかった、豊かな選択肢が目の前に開けました。

私たちのような移住者も多いエリア。

温泉や公園が徒歩圏の、適度に便利なエリア。

敷地内に小川が流れている土地。

八ヶ岳が望める土地。

本当にさまざまな土地が売りに出ていて、目移りしてしまうほど。価格もさまざまだけど、あの中古物件のある別荘地の土地と変わらないか、少し高いくらいかな。

 

住宅性能の進化

気に入った土地に家を建てるとして、どんな家がいいだろう。私はあの中古物件をすごく気に入っていて、これ以上の家なんて存在しないのではないかとまで思っていました。でも、無ければ自分で建てればいいのだ、しかももっと快適な家を。

30年前と比べて、今は住宅の性能が良くなっています。タイルのお風呂がユニットバスになった、とか、太陽光発電が載る、とかではない。耐震性の基準が厳しくなり、エコ住宅にするために断熱性能が上がったのです。つまり設備や機器ではなく、住宅そのものの性能が向上しているということ。寒い八ヶ岳の冬でも快適に暮らせる技術が、いまはある。

 

30年後の総額

肝心のお金の話。気に入った土地に、現代の性能の家を建てる。夢のようなすばらしい話だけれど、現実問題としていくらかかるのだろう。見積りなどは取っていないので、ざっくりとしたイメージレベルの話としてご理解ください。

土地300坪1,000万円+建物30坪2,000万円、合わせて3,000万円。

一方中古物件購入の場合は、土地+中古建物1,000万円。屋根、水回りのリフォームで一旦300万円。その後も外壁、断熱、耐震、内装、キッチン、和室など、大小さまざまな改修が予想される。

 

30年後、家にかかった費用をトータルで見ると、新築と中古どちらがより多くかかっているだろう。これは私の予想だけど、中古建物を途中で建て替えない限り、新築のほうが少し高くついているのではないかと思います。その差額がいくらなのか、今の時点で予測することは難しいけれど。しかし、初めから安全で快適な住み心地が得られる点、気に入った土地を選び、自分好みの家を建てられる点で、充分に新築のメリットはあるのではないかと思っています。