有楽町のふるさと回帰支援センターへ、「楽園信州移住セミナー」に行ってきました。今回のセミナーに参加した12の市町村(中野市・信濃町・松川村・須坂市・小布施町・高山村・茅野市・諏訪市・岡谷市・下諏訪町・富士見町・原村)の考察と移住の可能性について、主に気候や交通に関することをまとめます。(個人的な趣味・嗜好を多分に含む)
楽園信州セミナー参加市町村
中野市
標高:市役所約360m、斑尾高原約870m
新潟県に接する北信濃エリアにある中野市は、北の飯山市に近づくほど豪雪地帯。セミナーのクロストークでやま暮らし代表としてお話を聞かせてくれたのは、中野市に移住した方でした。スキーが趣味ということで雪が積もっても楽しんでいらっしゃるとのことでしたが、軒まで積もった雪の写真には正直びっくり。その方のお宅は古民家で、かやぶき屋根と薪ストーブの熱のおかげで屋根に雪は積もらないそうです。一般の住宅に住む場合は屋根の雪下ろしが必須になるとのこと。
東京からのアクセスは、関越道練馬ICから上信越道信州中野ICまで約2時間半、インターを下りて中心部まで15分ほど。東京との行き来が多い私たちとしては、上信越道で軽井沢、佐久、上田を素通りして信州中野まで行くというのは大変ということで、移住の候補地からは外れます。都心とあまり行き来する必要がなく、ウィンタースポーツが好きな人にとってはいい環境だと思います。雪質のいいゲレンデが周辺にたくさんあるみたい。
信濃町
標高:町役場約670m、黒姫高原約830m
信濃町も北信越エリアにあり、北隣は新潟県。町内には天然のパウダースノーが楽しめるゲレンデがいくつかあり、冬はウィンタースポーツが楽しめる。雪が大好きもしくは雪に関わる仕事をしたいという人はいいと思います。その分生活するには雪と上手く付き合っていく必要がありそう。なにしろ町全域が特別豪雪地域に指定されているのです!
信濃町 | 最高気温(平均) | 最低気温(平均) | 降水量(合計) |
1月 | 1.1℃ | -8.1℃ | 106.5mm |
2月 | 1.6℃ | -8.0℃ | 91.7mm |
3月 | 5.4℃ | -4.3℃ | 91.8mm |
4月 | 13.5℃ | 1.7℃ | 64.7mm |
5月 | 19.0℃ | 7.4℃ | 84.6mm |
6月 | 22.0℃ | 12.8℃ | 122.7mm |
7月 | 25.6℃ | 17.2℃ | 178.5mm |
8月 | 27.3℃ | 18.3℃ | 112.3mm |
9月 | 22.8℃ | 13.7℃ | 146.0mm |
10月 | 16.7℃ | 6.5℃ | 96.7mm |
11月 | 10.7℃ | 0.4℃ | 80.4mm |
12月 | 4.4℃ | -4.7℃ | 92.9mm |
データ:weather.time-j.net
東京からのアクセスは関越道練馬ICから信濃町ICまで約2時間45分、インターを下りて中心部まで5分ほど。先述の信州中野ICからさらに先まで行かなければならないため、我が家では移住候補地から外れます。雪の心配と地理的な遠さがなければ、高原があって湖がある信濃町は魅力的なんだけど。
今回さまざまな市町村のパンフレットをいただいてきたのだけど、信濃町のパンフレットが飛び抜けておしゃれだったので写真を載せておきます。
須坂市
標高:市役所約380m、菅平高原約1,560m
須坂市は北信濃エリアに属するものの豪雪地帯というわけではなく、雪は思うほど多くないそうです。というのも晴天率が高く、特に平野部では降っても午前中に溶けてしまうことが多いとか。一方で菅平高原や峰の原高原などは標高1,500m前後と高いので、その分雪が多くウィンタースポーツが楽しめます。
東京からのアクセスは関越道練馬ICから上信越道須坂長野東ICまで約2時間半、中心部まで10分弱。先述の信州中野ICの手前ですが、それでもやはり私たちにとっては遠い。
小布施町
標高:町役場約350m、穴観音の湯約410m
須高地区のうちのひとつとして参加していたからか、小布施町単独のパンフレットはなし。インターネットによると、栗と葛飾北斎が有名らしい。豪雪地帯ではないらしいけど降るときは30cmくらい積もるそうで、それって都民からしたら充分豪雪と判断したいです。
東京からのアクセスは関越道練馬ICから上信越道小布施スマートICまで約2時間40分、インターを下りて中心部まで5分ほど。前述の須坂長野東ICより先なので私たちにとっては遠すぎる。
高山村
標高:村役場約550m、ヤマボクワイルドスノーパーク約1,570m
こちらも北信越エリアの須高地区としての参加でパンフレットはなし。Googleマップで見ると村のほとんどが山間部。上質なパウダースノーが楽しめるゲレンデがいくつかあり、ウィンタースポーツには事欠かない環境。ただし夏もそれなりに暑く、避暑という感じではなさそう。
東京からのアクセスは関越道練馬ICから上信越道須坂長野東ICまで約2時間半、インターを下りて中心部まで20分ほど。前述の須坂市・小布施町と隣接していて、さらに若干遠くなるので候補地からは外れます。
松川村
標高:村役場約610m、馬羅尾高原キャンプ場約760m
北アルプスのふもと、安曇野エリアにある松川村。隣の大町市より北に行くと雪深い地域になっていくけど、松川村はぎりぎり雪の少ない地域らしい。ゲレンデも無いし屋根の雪下ろしも必要ないそうです。積雪は多くても20~30cm程度とのこと。でもこれって都内から見たら充分大雪。住宅地や田畑は平野部にあり、美しい田園風景が広がっているそうです。
東京からのアクセスは関越道練馬ICから長野自動車道安曇野ICまで約2時間45分、インターを下りて中心部まで30分ほど。北アルプスを望む安曇野エリア、というのは魅力のあるキーワードだけど、やはり東京との行ったり来たりを考えるともう少し近いほうがいい。
他の市町村は立派なパンフレットをたくさん封筒に詰めたものをそれぞれ用意されていたけど、松川村だけは封筒がなく簡易なパンフレットのみの配布でした。しかしそれが潔く、逆に印象に残った。
茅野市
標高:市役所約800m、車山高原約1,580m
新しくなったばかりのJR茅野駅は美術館が併設されていてきれいです。市内には総合病院、大学までありさすが「市」は違うなという印象。駅周辺から外周に行くにつれて住宅地、田畑、山とバランスよく広がっていき、最終的には蓼科高原、白樺湖、車山などの山岳リゾートに行きつく。これだけバラエティ豊かな地域なので、当然場所によって気候が異なります。それぞれの好みによってエリアを選べる利点はあると思う。
東京からのアクセスは首都高4号新宿線永福から中央道諏訪南ICまで約2時間、インターを下りて中心部まで20分ほど。他の市町村に比べると近いように感じるけど、中心部ではなくリゾートエリアに住みたい場合はさらに山を登らなくてはいけないのが難点。例えば白樺湖周辺の別荘エリアにひっそり住みたい人は、約30分余計にかかることになる。
原村
標高:村役場約1,000m、八ヶ岳美術館約1,350m
諏訪圏の市町村としての参加のため、合同のパンフレットだけで個別パンフレットはなし。原村は諏訪圏の中でも八ヶ岳側にあり、村役場がある中心部でも標高1,000mの高原。八ヶ岳美術館などのリゾートエリアはさらに標高が上がるけど、距離的には車で10分ちょっとなのでコンパクトな村です。晴天率が高く屋根の雪下ろしが必要なほどは積もらないが、気温が低いためアイスバーンには注意が必要とのこと。
原村 | 最高気温(平均) | 最低気温(平均) | 降水量 |
1月 | 2.1℃ | -8.3℃ | 47.0mm |
2月 | 3.0℃ | -8.1℃ | 58.8mm |
3月 | 7.5℃ | -4.1℃ | 105.4mm |
4月 | 14.8℃ | 1.7℃ | 96.9mm |
5月 | 19.5℃ | 7.2℃ | 117.3mm |
6月 | 22.7℃ | 12.4℃ | 162.3mm |
7月 | 26.3℃ | 16.6℃ | 162.9mm |
8月 | 27.6℃ | 17.3℃ | 124.0mm |
9月 | 22.9℃ | 13.3℃ | 187.1mm |
10月 | 16.9℃ | 6.1℃ | 114.1mm |
11月 | 11.3℃ | 0.1℃ | 70.8mm |
12月 | 5.4℃ | -5.1℃ | 37.4mm |
データ:weather.time-j.net
東京からのアクセスは首都高4号新宿線永福から中央道諏訪南ICまで約2時間、ここまでは前述の茅野市と同じ。インターを下りて中心部までは10分弱、さらにリゾートエリアまでも追加で10分ほどというのは気がラク。
以前原村単独のセミナーに行ったことがありいろいろ調べました。
原村の基本情報もまとめています。
富士見町
標高:町役場約970m、富士見高原1,350m
諏訪圏の市町村としての参加のため、個別パンフレットはなし。八ヶ岳南麓の山梨県北杜市に隣接。前述の原村とは隣同士で気候もおなじような感じ。行政区分にこだわらなければ両者に違いはほとんどなさそう。富士見町には24時間営業のスーパーやコンビニがいくつかあり、便利さでは有利かも。とはいえ移住先でどんな暮らしをしたいのかによってその価値は変わりますけど。
東京から首都高4号新宿線永福から中央道小淵沢ICまで2時間弱。前述の茅野市、原村の最寄りインターより、ひとつ手前です。インターを下りて中心部もしくはリゾートエリアまで、それぞれ15分ほど。
諏訪市
標高:市役所約760m、霧ヶ峰スキー場約1,640m
諏訪圏の市町村としての参加のため、個別パンフレットはなし。八ヶ岳西麓の諏訪湖寄り。霧ヶ峰などの山岳部は別だけど、平野部は夏に30℃を超すこともよくあり普通に暑そうな印象。ただ湿度が低く朝夕は気温が下がるため、都内に比べるとやはり涼しいのだろう。山の方では雪が降っていても、諏訪湖周辺は雨ということもよくあるそうです。
諏訪 | 最高気温(平均) | 最低気温(平均) | 降水量 |
1月 | 3.6℃ | -5.9℃ | 43.9mm |
2月 | 4.7℃ | -5.5℃ | 51.4mm |
3月 | 9.2℃ | -1.5℃ | 90.2mm |
4月 | 16.1℃ | 4.2℃ | 87.2mm |
5月 | 21.1℃ | 9.8℃ | 113.9mm |
6月 | 24.3℃ | 14.8℃ | 164.2mm |
7月 | 27.8℃ | 19.0℃ | 191.4mm |
8月 | 29.3℃ | 20.0℃ | 129.3mm |
9月 | 24.4℃ | 15.9℃ | 192.2mm |
10月 | 18.2℃ | 8.6℃ | 112.3mm |
11月 | 12.5℃ | 2.3℃ | 69.8mm |
12月 | 6.9℃ | -2.8℃ | 35.4mm |
データ:weather.time-j.net
東京からのアクセスは首都高4号新宿線永福から中央道諏訪ICまで約2時間、前述の諏訪南ICのひとつ先。インターを下りて中心部まで10分ほど。住宅地ではなく静かな環境で暮らしたい人は、たとえば霧ヶ峰高原まで30分くらいかかる。茅野市でもそうだけど、便利な平野部から自然豊かな高原まで多彩な魅力がある一方、移動距離が多くなってしまいます。高原ではなく諏訪湖畔がもともと希望の場合は近くていいと思う。
下諏訪町
標高:町役場約770m、八島湿原約1,620m
諏訪圏の市町村としての参加のため、個別パンフレットはなし。諏訪市の隣で、諏訪湖の一部を有している。Googleマップで見ると町の南端は諏訪湖、北側大部分は山間部となっていて、住宅地となる平野部は少ないように見えます。町内には中山道が走っており、さらに温泉宿場町だったことから、さわやかな高原というよりは下町的な印象。
東京からのアクセスは首都高4号新宿線永福から諏訪ICまで約2時間、インターを下りて中心部まで20分ちょっと。宿場町の風情ある町並みに住みたいならよさそうだけど、山を登って静かな環境に行きたい場合は少し遠くなりそう。
岡谷市
標高:市役所約790m、鳥居平やまびこ公園約1,000m
諏訪圏の市町村としての参加のため、個別パンフレットはなし。諏訪圏エリア内では一番西に位置し、諏訪湖の一部を有している。長野県全体で見るとちょうど中心あたり。フェーン現象によって夏は高温になることもある一方で、冬の降水量は少なく雪は多く積もらないそうです。
東京からのアクセスは首都高4号新宿線永福から長野自動車岡谷ICまで約2時間10分、インターを下りて中心部まで10分弱。途中諏訪南ICや諏訪ICを通り過ぎるので、岡谷に特別な何かがない限り、茅野・原村・富士見町のほうが近いという点で魅力がある。
ふう、以上今回の楽園信州移住セミナー参加の市町村についてまとめてみました。長野県のなかでも地域によって結構違いがあることがわかりました。我が家の場合の主なポイントは次のとおり。
・東京へのアクセスの良さは必須。
・冬の寒さは大いに結構だけど、雪が多いと東京への行き来が怖い。
・夏は涼しく過ごしたい。
24時間営業のスーパーや大型店があると便利なように思うけど、今はネットでなんでも買えるし、せっかく移住するのだから東京のような便利さはもともと求めていません。夜はちゃんと暗いから星がよく見える。お店が限られているから工夫するし、買ったものを無駄にしない。マンションの上下階の生活音を気にする必要がなく、高速道路や電車の音に煩わされることなく眠れる。私たちはそんな生活がしたいから移住するのです。
そのあたりを考えて今回の市町村の中から我が家の移住候補地として浮かび上がったのは原村、富士見町。あくまで我が家の場合の話なので、移住する目的や理想のライフスタイルによっては違う結論が出るのは当然。それでいいと思う。
ちなみに今回の市町村以外にも狙っているところがあるので、引き続き貪欲にリサーチしていきたいと思います。