本日は春の雨が降っております、八ヶ岳。春雨ではございません。もちろん雪でもなく、昼過ぎの現在の気温は8.7℃。すっかり春でございます。

 

今年の冬はあたたかく、雪も2回しか積もりませんでした。信州に移住して最初の冬としてはずいぶんラクさせてもらった一方で、ちょっと期待外れだったりもします。キーンと冷えた冬を体験してみたかった。

実は先週くらいから、春の気配がありました。春の気配を感じるということは、暖冬とはいってもちゃんと冬の気配も感じていたということです。冬のあいだは青く澄んでいた八ヶ岳が、明らかに春の霞にぼやけています。どこからともなく春っぽい、かといって花の香りというわけではないのですが、なにやら芽吹きの香りがしてきます。

 

つい先日、たまたま頂いた桜の枝を、バケツの水に浸水させつつウッドデッキに出しておいたのですが、ふと見てみるとミツバチが10匹ほど、花の蜜を集めているではありませんか!どこからやってきたのだろう。どこで冬を越したのだろう。そしてどうやって桜の花の蜜がここにあることを知ったのだろう!水揚げしたら部屋に飾ろうと思っていたのですが、ミツバチのためにデッキに出しておくことにしました。また蜜を集めに来てくれるといいな。

 

 

それにしても自然の営みは不思議です。桜の枝は松本の方から頂いたもので、本来八ヶ岳のこのあたりではまだ芽吹いていません。このあたりの開花は普通ならゴールデンウィークの頃だそうですので、まだ1か月以上も先のことなのに、ちゃんと蜜を採集しに来るミツバチ。すごい。

 

冬が終わりに近づくと、毎年憂鬱になっていました。春の空気はぼんやりするし、その後には苦手な夏がやってくる。私にとって過ごしやすく快適な秋冬が遠のく寂しさがありました。

ところが今年、なんと春が楽しみなのです!たぶん人生初。春に霞む八ヶ岳を見ても、雪ではなく雨を見ても、ちっともがっかりしない。むしろ一足早い桜の枝やミツバチに、ワクワクしています。長く寒い冬を乗り越えた先に迎える春に浮足立つ、寒い地方の人々のマインドを少しは理解できたような気がしています。

今年みたいな暖冬で~?って、地元の人には言われてしまうかもしれないけど。