信州への移住

何年も前から信州に移住したいと言っていて、その方法には中古別荘を買うとか、土地を買って建てるとか、ひとまず賃貸で住むとか、いろいろな選択肢がある。

実際に土地や別荘を見に行って、内見させていただいたりもしたのだけど‥。

 

まずは賃貸で住んでみようということになった。

 

賃貸にした理由

「お試しで移住できる」というのが賃貸のメリットだ。

というのも、土地や建物を購入したいと思って現地を見ているなかで、そのエリアについての知識が足りていないと感じることが多くあったから。

 

東京からの距離、標高、近くのスーパーなど、外部からわかることはある。

しかし、しばらく住んでみるか、あるいは1年を通して観察してみなければわからないこともあると思う。

 

たとえば静かな環境かどうか。

見に行ったときは静かだったけれど、隣の畑で農作業が始まると機械音がけっこうするとか。

平日は気にならなかったけど、土日はレジャー客で渋滞する道路とか。

 

旅行で何度か見に行ったくらいではわからないことも多く、その段階で住宅を購入するのはまだ早いと感じたのだ。

 

一方で賃貸なら、周辺エリアを観察しながら、その地での四季を体感することができる。

夏は涼しくていいけどさすがに雪が大変、となればもう少し標高の低いエリアを探せばいいし、実はそれほど涼しくなかった、となれば、もう少し標高を上げなければいけないかもしれない。

しばらく住んでみれば、物件情報の広告を見て「あの辺りはどういうエリア」という見当も付くようになるだろう。

 

いずれにしても購入したあとに判明したことで後悔するよりも、賃貸で住みながらそのあたりの誤差を埋めていければ、数年余計にかかりはするけれど、より理想に近い物件を購入できるのではないだろうか。

 

住みたいエリアに賃貸物件がない

いざインターネットで賃貸物件を検索してみると、びっくりするくらいヒットしない。

 

まず探したのは長野県富士見町と原村。

富士見町の物件は単身赴任とか学生とかのために、ひとり暮らしを想定したアパートがいくつか。

原村にいたってはそれすらない。

 

さすがに物件がなければ住めないので、範囲を広げて茅野市も検索。

ようやくアパートに加えてテラスハウス、マンション、貸家などが出てくるようになった。

 

それでも当然のことながら、出てくる物件は駅周辺や住宅街が中心で、私たちが本来探していた自然豊かで静かな環境というわけにはいかないようだ。

これは一般住宅の需要を考えれば仕方のないこと。

一旦割り切って、そこを拠点に将来の理想の地を探すことに(具体的には標高を上げていく方向で)。

 

ちなみに私たちは信州びいきなので候補にはならなかったのだけど、八ヶ岳は山梨県北杜市にも接している。

試しに北杜市の賃貸情報も検索してみたところ、こちらもびっくりするくらい物件がなかったのでご報告まで。

 

賃貸と貸家

賃貸と貸家。

普段あまり気にすることのない2つのワード、どのような違いがあるのだろうか。

私は知らなかったのだけど、今回の物件探しで2つの違いを実感することになった。

 

まず賃貸。

私たちが見に行ったのは築浅の一戸建てで、周辺は田んぼに囲まれたのどかな環境。

同じ敷地にもう一軒、まったく同じ外観の一戸建てが並んで建っていて、別のご家族が借りているようだった。

内装はマンションとか新しいテラスハウスなどによくあるおしゃれな感じ。

 

せっかく憧れの信州に引っ越すのに、いま住んでいる東京のマンションの内装と代わり映えしないかも、というのが私たちの正直な感想。

おそらく使われなくなった田んぼや畑を購入した不動産会社が量産している収益物件のうちのひとつだったのだと想像する。

おしゃれなのだけど、どことなく生活感が薄いというか。

「すまい」というより「住宅」、homeというよりhouseという感じだろうか。

実際、まったく同じ間取りの戸建てが、近隣エリアの物件情報にいくつか出ていた。

 

一方の貸家は、自分の家をなんらかの理由で他人に貸し出す家のこと。

もともとは自分が住むために建築した家だから、当然その持ち主の個性が強く見られる。

自然素材の家や、趣味の部屋がある家、キッチンにこだわった家など。

 

そこには人の生活が感じられる。

「すまい」、あるいはhome。

そのような個性に、賃貸用戸建てにはない魅力を感じれば、貸家に軍配が上がることになる。

 

私たちの場合も魅力的な貸家に出会い、借りることにした。

 

エアコン事情

築浅の賃貸物件はほとんどがエアコン付きで、それが売りになっているようだった。

東京みたいに各部屋に付いているわけではなく、大抵はリビングに1台、という感じ。

 

たしかに内見に行ったのは8月のお盆前、という1年でもっとも暑い時期だったのもあり、閉め切っていた空家に入るとムワっとした暑さを感じた。

近ごろは標高800mくらいでも、昼間はエアコンが必要みたい。

寝室となる各部屋には設置されていないところを見ると、朝晩はそれほど暑くないことが想像できるが、これは希望的観測だろうか。

 

ところで私たちが借りることにした貸家は、なんとエアコンが1台も付いていない。

前に住んでいた方はそのまま暮らしていたので大丈夫なのだろうが、ちょっと心配。

東京では考えられないことだ。

 

不動産屋さんの話によると、地元の人の家にはほとんどエアコンは付いていないのではないか、とのこと。

そう言う彼の家にもエアコンはなく、暑い日には扇風機に頼るそう。

昨夜は扇風機を付けたまま眠ってしまって、朝方寒くて目が覚めたと言っていた。