長野市に所用があったので、ついでと言ってはなんですが善光寺へお参りに行ってきました。善光寺、お初です!

 

善光寺

長野市は新潟に近いから、この時期雪が積もっていると思っていたのですが‥。全然でした!地元の方が言うには、今年は2回しか積もっていないそうです。そのせいか長野オリンピックで一躍有名になった飯綱高原スキー場が閉鎖とのこと。里谷多英さん、テレビで見てましたなあ。八ヶ岳周辺や軽井沢のスキー場は人工雪だから今年のような暖冬でも営業しているけれど、長野の方は完全に天然雪なのだそうです。たしかに我が家から見えるスキー場、山には雪が積もっていないのにゲレンデだけ白く蛇行していて、何かに似ていると思ったら、そう、あれはまるできしめんです。

いいお天気に恵まれ、善光寺ぶらぶらを楽しんできました。善ぶら。コロナの影響で人出が少なく、逆にゆっくりと見れてよかったかも。アジア系の観光客は全くいませんでしたが、欧米系は割と多かったです。

 

本堂も立派で素晴らしいのですが、私が感銘を受けたのは仁王像。高村光雲による阿形吽形の筋肉隆々の肉体が素晴らしいのはもちろんのこと、その表情が本当によくできています。クワっと口を開いた阿形と、ムンっという感じで口を閉じた吽形。目を合わせるとしばらく逸らすことができないほどに、強い意志を感じます。案内してくれた方の話だと、この大きな仁王像は足の裏と台座がくっついているわけではなく、自身のバランスで自立しているそうです。さらに驚くことには、足の裏と台座のあいだに紙切れを通すと、なんと通り抜けるそうです!不思議~!

現在のところ仁王像がある仁王門は修復工事中で、実はあまりよく見ることができませんでした。史料館にこの仁王像の原型が展示されているので、そちらのほうがゆっくりじっくり観察できますのでぜひ。

 

善光寺フリーパスみたいなチケットを購入したので、有料施設もできるだけ見ておこうと思い、経蔵とやらにも行ってみました。お堂の中心に八角形の輪蔵と呼ばれているものがあり、そこについている腕木を押して一周まわすというもの。輪蔵の中には仏教の経典が収められていて、一周まわすと経典をすべて読んだことになり、それだけの功徳を得られるのだとか。忙しく欲深い現代人にぴったりではないですか。さすが懐の深い善光寺。そうと聞いて早速まわし始める私と夫。けっこう重かったです。グッと腰を入れて、ググーっと地面を踏みしめながら、ゆっくり一周しました。ちょうど一周終わるころ女性がひとりで入って来たので、女性一人ではまわせないから手伝ってあげて、ということで2周目に突入。経典2回分の功徳を積んでしまった。

この輪蔵がまわる仕組みも興味深く、コマの原理でできているようです。経典がぎっしり収納された重い本棚のような輪蔵を回転させるためのシステム、コマを思い浮かべればよくわかるけど、地面にはたった1点で接しているだけなのですよ。すごいな~。

 

参道

善光寺は参道がおもしろいと聞いていました。趣味嗜好によって立ち寄るお店は変わってくるかと思いますが、私が行ってよかったと思ったのは以下のお店。参道沿いだけでなく、参道周辺も含みます。

夏至

シンプルで洗練されたセレクトの雑貨とかアパレルのお店。私が行ったときはたまたま着物の展示がやっていました。すてきな帯があったけど、衝動買いするには高価だったので断念。通常営業のときにも行ってみたいな。

 

豆暦

和菓子のお店。小さくてすっきりと清潔な店内に、端正な和菓子が並んでいました。たくさんの種類があるわけではなく、季節のおすすめを1つ2つ、といった感じ。私が行ったときは桜餅とわらびもちで、わらびもちは売り切れでした。どらやきは定番でいつもあるのかもしれない。

 

こまつや

パスタのお店。ランチに入ろうと思ったら満席だったので、翌日のランチを予約して食べることができました。コロナの影響でどこも閑散としている、と地元の方は言っていたけど、こまつやは盛況でした。前菜とパン、選べるパスタのランチ。

 

 

有名な洋傘の三河屋洋傘専門店にも行ってみましたが、なんかやっていないような感じで引き戸を開ける勇気がなく‥。日傘が欲しかったのだけど。あれ、開けて入ってよかったのかしら?

 

地味にやっているご当地マンホールシリーズ。善光寺はりんご!

 

お朝事

今回の善光寺参り、宿坊に泊まりました。宿坊に泊まるということは、ほぼ確実にお朝事に参加するということみたいですね。知らなかったのですが、善光寺詣での醍醐味はお朝事!日の出とともに始まる法要を、365日欠かさず行っているのだそうです。日の出とともに、ということは、季節によって始まる時間が変わります。夏至のころはすっごく早起きしないと参加できませんよ~。私が行ったのは3月だからまだマシでした。朝6:40くらい。まだ起きれる時間です。これから夏至に向かって、毎日1分ずつ早くなっていくそうです。

お朝事開始の合図の鐘が鳴り、お坊さんが太鼓でそれに応えます。小雨まじりの中、赤い和傘を差し出されながら石畳を歩いてくる住職の姿は、なんか絵になる。背の高い針葉樹に囲まれた諏訪大社の神がかった神聖な感じとは違い、綿々と続いてきた善光寺平の人々の、そして全国各地から参詣した人々の営みの神聖さ。

法要も素晴らしいものでした。和風ゴスペル。内陣券を購入したので間近で見ることができ、それがとてもよかったです。外国からの観光客とか、すごく喜ぶのではないかしら。夫は軽くトランス状態に入ったと言っていました!大丈夫かな、そんな人、他にもいますか?

お戒壇巡りというのもさせてもらいました。ご本尊さまの真下にある真っ暗暗な地下空間を手探りで進み、極楽浄土を約束してくれる錠前に触る、というものです。地下空間なので階段で降りるのですが、本当にびっくりするほど真っ暗です!手荷物は左手に、空いた右手で壁をつたって手探りで歩きます。案内してくれた方が先に進んで声で呼びかけてくださるのですが、それでも前に進むのが怖いほどの暗闇。というか無。あるはずないのに、天井が徐々に低くなってきて頭を打つ錯覚を覚えます。夫もこの感覚を感じたらしく、途中から右手は壁ではなく、天井をつたって歩いたそうです。そして錠前をタッチ。無事極楽浄土の約束を取り付けました!

住職が本堂に上がるときと帰るとき、ひざまずいてお数珠で頭をなでて功徳を授けてもらうお数珠頂戴というものがあるのですが、コロナの影響で中止になってしまいました。法要中の読経にも新型コロナナントカ~と言っていたり、いろんなところに影響あるんだなあ。

 

泊まった宿坊についてはこちらです。